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精神病床に入院している認知症患者の6割余りが、半年以内に退院する見込みがないことが、11月4日までの厚生労働省の調査で分かった。同日に開かれた「新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム」の第11回会合で報告された。調査では、精神病床に入院している患者の9割近くが何らかの身体合併症を抱えていることも明らかになった一方、日々の意思の疎通が困難な入院患者は4割弱、毎日のように徘徊を繰り返す患者は約3割だったことも分かった。
調査は、北海道や東京、愛知、鹿児島などの9病院に入院する454人の患者を対象に、9月27日から10月4日にかけて実施。主な調査項目は、各患者の精神症状や身体合併症の状況、必要となる居住先や支援で、患者が入院している病棟の病棟師長が回答した。
それによると、「居住先・支援が整った場合の退院の可能性」については、「近い将来(6か月以内)の退院の可能性はない」患者が62.3%を占めた。以下は「現在の状態でも、居住先・支援が整えば退院は可能」(20.3%)、「状態の改善が見込まれるので、居住先・支援が整えば近い将来には可能」(16.5%)、「状態の改善が見込まれるので、居住先・支援などを新たに用意しなくても、近い将来には退院が可能」(0.9%)と続いた。さらに、近い将来の退院の可能性がない患者について、その理由を尋ねたところ、「精神症状・異常行動を伴うため、入院による身体合併症のケアが必要」(37%)が最も多く、以下は「(他害行為や大声を出す以外の)迷惑行為を起こす可能性が高い」(28%)、「介護が必要だが、本人の症状が落ち着かず、介護の支援があったとしても生活が組み立てられない」(10%)、「大声を出す可能性が高い」(7%)、「他害行為の危険性が高い」(6%)などと続いた。
認知症以外の身体合併症の有無に関しては、「外来通院が適当な程度の身体合併症がある」(61%)が最多で、以下は「入院治療が必要な身体合併症がある」(26%)、「なし」(13%)となった。
調査時点から過去1か月の精神状態・異常行動の頻度については、ほぼ毎日、意思の疎通が困難な患者は38%、ほぼ毎日、徘徊する患者は30%だった。また、「医療行為への抵抗」「自傷行為」「スタッフへの暴力」「異食」「職員とのトラブル」といった行動をほぼ毎日起こす患者は、いずれも1割に満たなかった。
■「認知症患者本人の意思も調査を」
調査結果の報告を受けて行われた議論では、構成員から「この調査は病棟師長が答えたもの。入院している患者本人の希望についての調査があってもいいのではないか」(野村忠良・東京都精神障害者家族会連合会会長)、「入院している患者本人の意見を聴く努力をしないのでは、何のためにこの会をやっているのかと思う」(野澤和弘・毎日新聞論説委員)といった意見が相次いだ。柴田範子・NPO法人「楽」理事長は、「高齢者のほとんどは、自宅で生活したいと思っている。(入院している認知症患者についても)一度、自宅に帰すという挑戦をしてみることが重要ではないか」と提言した。
( 2010年11月04日 23:31 キャリアブレイン )
2010年11月8日月曜日
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